社員インタビュー

あふれる好奇心で
数千の化合物から
医薬品の種をすくい上げる
H.S
基盤技術研究所
2020年入社
キッセイ薬品を選んだ理由
専門分野以外の知識に触れながら
ものづくりに携われる環境に共感した
「ものづくりに携わりたい」という想いを軸に就職先を探していました。そう思ったのは、大学時代の研究がきっかけです。私は海洋生物から発見されたがん細胞に作用する化合物を研究していました。この研究は、生物が持つ物質の未知なる特性を解明することが目的。新しい発見にあふれていて楽しく研究していた一方で、自分の研究が具体的に人々の生活にどう役立つのかイメージできずにいました。せっかく働くなら人に役立っていることを実感しながら働きたい。そんな考えが強まり、医薬品や化学業界を中心に就職先を検討しました。キッセイ薬品に入社を決めたのは、社員さんたちの研究への姿勢に共感したから。研究への向き合い方には、一つの専門分野を深く追求していくやり方と、他分野にも興味の範囲を広げて自分の専門知識と融合していくやり方の2つがあると思います。キッセイ薬品の社員さんから感じたのは後者の姿勢。他分野の専門家とリスペクトし合いながら意見を交換している様子にとても感銘を受けたんです。自分の知らない分野に触れられる機会が豊富にあり、ここでなら好奇心を刺激しながら自分らしく働けると感じ、入社を決めました。

仕事について
人々を救う医薬品が花だとしたら
私の仕事はその種を見つけ出すこと
私は主に、合成化合物のスクリーニングを担当しています。スクリーニングとは、化合物の強さを正確かつ迅速に数値化することで、創薬の中で上流に位置する仕事です。医薬品として役立つかもしれない化合物を大量にスクリーニングし、その評価を化合物の合成研究者に伝え、研究に役立ててもらいます。いうなれば、医薬品をつくるための種を見つけ出すような仕事です。自分が見つけ出した種が人を救う医薬品につながっている。そんなやりがいを感じる一方で、種を見つけ出せなければ医薬品が生み出せなくなるというプレッシャーも感じています。種の良し悪し、つまり化合物が良質かどうかは、数値によって判断されます。化合物がアッセイプレート上でどんなに強い反応を示していても、数値で測れなければ意味がありません。過去には化合物が想定より強く、既存のスクリーニング方法では定量範囲を超えて数値として測定できなかったことがありました。良質な化合物はそこにあるはずなのに、数値でその魅力を伝えることができない。そんな歯がゆさを感じながら、周りの研究員からのアドバイスを基に方法を改良し、なんとか化合物の数値データを取得することができました。スクリーニングは、良質な医薬品の素材となる化合物の魅力を可視化する、非常に意義のある仕事だと考えています。

「自分らしさ」を発揮したこと
熟練研究者のような手さばきを
機械の力で誰でも可能に
学生時代から実験機器が好きであったこと。そして、現在の部署が実験の機械化を積極的に推進する方針であったこと。私の好きなことと部署の方針が一致していたため、会社の後押しも受けながら実験の機械化に取り組みました。その結果、これまでの3倍ものスピードで、大量の化合物のスクリーニングに成功。化合物評価の効率化に貢献することができました。実験の機械化は、生産性の向上はもちろん、実験者間の誤差も抑えることができます。私自身、そこまで手先は器用ではありません。だからこそ、機械の力でどうすればスクリーニングの質を高めることができるか、とことん追求しようと思ったんです。例えば、ピペットなどの器具を使い、液体を一定量ずつ分ける「分注」という作業の機械化。熟練の研究者たちのピペット使いを観察しながら分注機を調整し、熟練者と同様のクオリティが誰でも出せるように改良しました。スクリーニングの効率化や質の向上によって、その後の創薬フェーズに時間をかけられるようになったり、医薬品自体の質の向上にもつながります。自分の得意分野で創薬に貢献できて、とてもやりがいを感じた取り組みでした。

キッセイ薬品の魅力
研究者の頭の中をのぞきながら
仕事ができるワクワク感
スクリーニングの仕事は、化合物の合成研究者と密接に関わりながら進めていきます。「この構造にしたら作用するのではないか?」「この構造の化合物に対しては、こういったスクリーニング方法だと数値が取れそう」。そういった意見交換をしながら、目標の薬効に対して、より良い化合物を一緒に見つけていきます。合成研究者との会話は、知的好奇心が刺激され、私にとってかけがえのない時間です。大学時代から天然物の特性を解明していくのが好きだったからか、合成研究者から真新しいアイデアを聞くと、とてもワクワクします。ここまで他部門の方とフラットに会話できるのは、部署間の距離が非常に近いからこそ。実験が大好きで、いろんな分野の知識を取り入れながら研究をしたい人にとって、キッセイ薬品は最適な環境だと思います。
今後の目標
IT知識も身に付けながら
化合物スクリーニングのプロフェッショナルへ
「合成化合物のスクリーニングといえば」と聞かれた時に、一番に名前が上がるような存在になることが現在の目標です。そのためには、スクリーニング技術の磨き込みや知識の拡充が必要だと考えています。技術は日々の業務の中で鍛錬できますが、新しい知識は自ら獲得しにいかないとなかなか身に付けることができません。例えば、スクリーニング研究者が集まる勉強会や学会に積極的に参加するなど、最新の技術や熟練者の経験に基づく知見を得られるように心掛けて行動しています。また、スクリーニング技術をもっと効率化していくためには、IT分野の知識が必要不可欠です。一度に大量の化合物から数値データを取得するのはもちろん、収集したデータを活用できる形に整理するのも、ITの知識があれば可能になります。IT知識の拡充のために、関連する資格取得にも取り組む予定です。会社からの支援も手厚いので、非常に助かっています。例えば、資格取得のサポートが受けられたり、試験に合格すると受験料が免除になったりと、気軽に新しい知識を得られる環境です。研究に必要な分野や、自分の興味のある分野の知識は積極的に獲得し、あらゆる化合物から良質な医薬品の種となるものを見つけていきたいと思います。

※社員の所属組織および取材内容は取材時点のものになります。